デリケートゾーン、中まで洗うのはNG?においやかゆみが気になるときの洗い方

6分で読める

においが気になって、つい念入りに洗っていませんか。実は腟の中には自分できれいにする仕組みがあり、洗いすぎが逆効果になることも。外側のやさしい洗い方、pHの考え方、病気のサインかもしれないにおい・おりものの見分け方をまとめました。

においが気になって、お風呂でつい念入りに洗ってしまう。生理のあとは特に、中まできれいにしたくなる。そんなこと、ありませんか。でも実は、その「きれいにしたい」が裏目に出ることもあるんです。

腟の中は、洗わなくていいの?

洗わなくて大丈夫です。米国保健福祉省の女性の健康局は、腟は体が自然に洗い流してきれいにしていると説明しています。腟から出る分泌物が、経血や精液、古いおりものを外に流してくれるのです。

反対に、腟の中をシャワーなどで洗う「腟内洗浄」は、多くの医師がすすめていません。腟の中にすむ菌のバランスや、本来の酸性の状態を変えてしまい、細菌性腟症やカンジダなどにつながることがあるからです。

どうやって洗えばいい?

洗うのは、腟の入口のまわりの外側(外陰部)だけです。

  • お風呂のときに、ぬるめのお湯でやさしく洗う
  • 石けんを使うなら、刺激の少ないものを。しみる・かゆくなる人は、お湯だけでもOK
  • ゴシゴシこすらず、指の腹でなでるように
  • 洗ったあとは、よく乾かす

イギリスの国民保健サービス(NHS)は、香料入りの製品や腟用のデオドラント、腟内洗浄を避けるようすすめています。下着は綿のものを選び、きつい服を避けて蒸れにくくするのも大切です。

デリケートゾーン用の洗浄料を使うなら、香りの強くないものを選び、しみたり赤くなったりしたら使うのをやめましょう。洗浄料は、においそのものを治すものではありません。

読者

においが気になって、1日に何回も洗っちゃうんだけど…。

編集部

洗いすぎると、かえって刺激になることがあります。お風呂のときに外側をやさしく洗えば十分。それでも気になるにおいが続くなら、婦人科で相談してみてください。

pHって、気にしたほうがいい?

腟の中は、ふだん酸性に保たれています。この酸性の状態と、腟にすむ菌のバランスが、腟の健康を支えています。

市販の腟pH検査キットは、症状を評価する補助にはなりますが、それだけで病名や治療は決められません。米国食品医薬品局(FDA)は、家庭用のpH検査について、次のように説明しています。

  • pHが高く出ても、感染以外の理由のことがある
  • pHの変化では、感染の種類は区別できない
  • 陰性でも、感染していることがある
  • pHが高く出たときは、医師の検査と治療を受ける

また、pHが高いこと自体を治す市販薬はありません。数字に振り回されるより、におい・かゆみ・おりもの・痛みの変化を見るほうが役に立ちます。

たとえば「検査では正常だったけれど、かゆみが続いている」なら、その結果だけで受診をやめないでください。FDAは、陰性でもカンジダなどの感染がある場合や、感染以外の刺激がある場合を説明しています。この検査でクラミジアなどの性感染症を調べることもできません。受診時には、いつから、何が変わり、どの製品を使ったかをメモして伝えると整理しやすくなります。

においやかゆみを防ぐ、毎日のちょっとした工夫

洗い方のほかにも、日々の過ごし方でできることがあります。NHSのすすめをもとにまとめました。

  • 下着は綿のものを選ぶ
  • ぴったりしたパンツやタイツが続く日は、ゆったりした服の日もつくる
  • 下着を洗う洗剤は、香りや刺激の強いものを避ける
  • 腟用のデオドラントや、香料入りのシートは使わない
  • かゆみやヒリヒリがあるあいだは、セックスを控える

「においを消す」より「こもらせない・刺激しない」を意識すると、続けやすくなります。

そのにおい・おりもの、病気のサインかも

気になる変化があるときは、次の2つがよく知られています。どちらも性感染症ではありませんが、治療が必要なことがあります。

細菌性腟症腟カンジダ
おりもの灰色がかった白で、水っぽい白くてポロポロ(カッテージチーズのよう)
におい魚のような強いにおい。セックスのあとに強くなりやすいふつうはにおわない
ほかの症状半数の人は症状がない外陰部や腟のかゆみ・ヒリヒリ、セックスや排尿のときにしみる
きっかけ菌のバランスの乱れ。セックスや香料入り製品、腟内洗浄も関係する抗菌薬の服用、妊娠、血糖のコントロールが悪いときなど
治療抗菌薬抗真菌薬(カビの薬)

市販薬で様子を見ていい?

腟カンジダには、ドラッグストアで買える再発治療薬もあります。ただし、日本で購入する場合は日本の製品の条件を確認してください。たとえばロート製薬の案内は、初めての症状は医師の確定診断が必要としています。

以前に医師の診断・治療を受けたことがあるか、同じ症状かを薬剤師に伝え、年齢・妊娠の可能性・再発の頻度も確認しましょう。「白いおりものだから」と写真や表だけで薬を選ばないことが大切です。

細菌性腟症は、治療に医師の処方する抗菌薬が必要です。妊娠中はまれに影響が出ることがあるので、特に早めの受診が大切です。

どちらかわからないとき、はじめての症状のとき、市販薬を使っても治らないときは、自己判断を続けずに婦人科へ。おりものの変化やかゆみは、クラミジアなどの性感染症で起こることもあります。心当たりがある人は 性感染症の検査の記事 も見てください。

受診の目安

よくある疑問

デリケートゾーン用のソープじゃないとダメ?

ダメではありません。お湯だけでも、刺激の少ない石けんでもかまいません。大事なのは、外側だけをやさしく洗い、洗いすぎないことです。

生理のあとは、中まで洗ったほうがすっきりする?

中は洗わなくて大丈夫です。経血は、腟から出る分泌物で自然に外に流れ出ます。外側をお湯でやさしく洗いましょう。

パートナーも治療が必要?

病名や再発の状況で変わるので、パートナーの症状も含めて医師に相談してください。NHSは、細菌性腟症でパートナーに腟がある場合は治療が必要なこともあると説明しています。腟カンジダでも、相手にかゆみや赤みなどがあれば受診を。自分の薬を相手に分けず、それぞれ必要な診察を受けましょう。痛みやかゆみがあるあいだはセックスを控えてください。

参考にした情報

2026年10月18日、pH検査の限界と、日本の市販薬の購入条件を確認しました。表は受診時の説明を助ける目安で、症状だけで病名を決めるためのものではありません。