更年期の「濡れない・痛い」に:潤滑ゼリーと保湿ケアの選び方

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閉経が近づいてから、セックスのときに痛い、ふだんからヒリヒリする。それは年齢のせいとあきらめなくていい体の変化です。原因、潤滑ゼリーと保湿ケアの使い分け、選ぶときに見るところ、婦人科でできる治療、受診の目安をまとめました。

40代後半になってから、セックスのときに痛い。下着がこすれるだけでヒリヒリする日もある。「年齢だからしかたない」と、誰にも言わずに我慢していませんか。

更年期に痛くなるのは、なぜ?

読者

前は平気だったのに、最近は痛くて…。もう、そういうことは卒業する時期なのかな。

編集部

そう決めなくて大丈夫です。痛みには体の理由があって、やわらげる方法もあるんですよ。

厚生労働省研究班が監修するヘルスケアラボによると、更年期にエストロゲンが減ると、腟の粘膜が薄く乾燥し、性交痛や感染が起こりやすくなります。膀胱炎にもかかりやすくなります。日本産婦人科医会も、女性ホルモンが減ると腟の粘膜が萎縮し、摩擦に耐えにくくなって痛みが出ることがある、と説明しています。

イギリスの国民保健サービス(NHS)は、自分でできるケアを数週間続けてもよくならないとき、ふだんの生活に困っているときは、受診するようすすめています。「年齢だからしかたない」と我慢しなくて大丈夫です。

潤滑ゼリーと保湿ケア、どう使い分ける?

どちらも潤いを足すものですが、使うタイミングと目的が違います。

比べるところ潤滑ゼリー保湿ケア(保湿剤)
使うときセックスの前や最中セックスに関係なく、ふだんから
目的その場の摩擦を減らすふだんの乾燥感をやわらげる
向いている人セックスのときだけ乾く人下着がこすれるだけでもヒリヒリする人

イギリスの国民保健サービス(NHS)も、セックスの前に水溶性の潤滑剤を使うこと、腟の乾燥には腟用の保湿剤を使うことを、自分でできるケアとしてあげています。GSMの総説でも、ホルモンを使わない最初のケアとして、潤滑剤と、長く効く腟用保湿剤を定期的に使うことがあげられています。

選ぶときに見るところ

  • 使う場所:「外陰部用」「腟内にも使える」など、どこに使えるかを確認する。「粘膜には使わない」と書かれた製品は、腟の中には使わない
  • 香り・刺激:無香料で、温感・冷感のないもの。乾いた粘膜は、ふだんよりしみやすい
  • 種類:潤滑ゼリーは、洗い流しやすい水溶性から。コンドームを使うなら、オイル系は避ける
  • 試し方:はじめは少しだけ使って、しみる、かゆい、赤くなる、がないかを確かめる
  • 使い方:保湿剤は、使う頻度や量が製品ごとに違うので、説明書どおりに

潤滑ゼリーの種類や買える場所は、潤滑ゼリーの選び方 にまとめています。

洗いすぎていない?

気になるほど念入りに洗いたくなりますが、洗いすぎは乾燥のもとです。NHSは、香料の入った石けんや洗浄料、腟の中を洗う洗浄(ビデなど)を避けるようすすめています。ヘルスケアラボも、外陰部の保湿と、洗浄剤を上手に使って清潔を保つことを大切なケアとしてあげています。

外陰部は、ぬるま湯か刺激の少ない洗浄料でやさしく洗えば十分です。洗い方は デリケートゾーンの洗い方 も参考にしてください。

婦人科でできること

セルフケアで楽にならないときは、婦人科で治療を相談できます。ヘルスケアラボは、治療としてホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、腟に入れる薬(腟座薬)などをあげています。日本産婦人科医会も、潤滑ゼリーやホルモン補充療法が助けになる場合があるとしています。

腟にだけ使う薬もあれば、全身に効く飲み薬や貼り薬もあります。持病や治療中の病気によって選べる方法が変わるので、医師と相談しながら決めていきましょう。

パートナーには、どう伝える?

「痛いのは、あなたのせいじゃない」「体が変わってきたから、ゆっくりがいい」。短いひとことで十分です。潤滑ゼリーをふたりで選ぶと、どちらか一方の問題になりにくくなります。

痛みがある日は、挿入しないふれあいを選んでもかまいません。伝え方は 濡れないときの記事 や セックスが痛いときの記事 にもまとめています。

受診の目安

よくある疑問

質問:閉経したら、セックスはもうできないの?

答え:

そんなことはありません。潤滑ゼリーや保湿ケア、必要なら婦人科の治療で、痛みをやわらげることができます。したいかどうか、どんなふれあいがいいかは、年齢ではなく、あなたとパートナーで決めていいことです。

質問:保湿剤は、毎日使うもの?

答え:

製品によって、使う頻度や量が違います。説明書どおりに使ってください。しみる、かゆい、おりものが変わった、というときは使うのをやめて、婦人科に相談しましょう。

質問:ホルモン治療は、ちょっとこわい…

答え:

不安に思うのは自然なことです。治療には、腟にだけ使う薬もあれば、全身に効く薬もあり、向き不向きは人によって違います。気になることは遠慮せずに医師に聞いて、納得してから選んでください。ホルモンを使わない潤滑ゼリーや保湿剤だけで様子を見る、という選択もあります。

参考にした情報